- 不妊に対する漢方療法とは?
- 漢方はこのような症状・お悩みに
おすすめ - 漢方療法からみた不妊症の原因
- 不妊症に効く漢方薬とは?
主な種類と効果 - 漢方療法の流れ
- 漢方は人工授精と併用できる?
- 漢方療法の費用
不妊に対する漢方療法とは?
たまごクリニックでは、不妊に対する漢方療法にも対応しております。
東洋医学の観点から、お一人おひとりの体質や体格、生活環境などに応じて漢方薬を選択します。
漢方療法は、即効性のある治療ではありません。緩やかな体質改善により、妊娠の可能性を高めることを目指します。
漢方はこのような症状・
お悩みにおすすめ
以下の症状・お悩みに心当たりがある方は、当院までご相談ください。
- 不妊症の原因が分からないと言われた
- 人工授精、体外授精で妊娠できなかった
- 心身に負担のある不妊治療に疲れてしまった
- 不妊治療がうまくいかず、目先を変えたい
- 体質が良くないのではないかと不安
- 生理不順、無月経がある
- 精子の少なさ、運動率の低さを指摘された(男性)
漢方療法からみた不妊症の原因
漢方療法において、不妊の原因となる体質には、以下のようなものがあります。
瘀血(おけつ)
血液の巡りが悪く、特に下腹部で滞留している状態です。卵巣や子宮に良質な血液が行き届きにくくなっています。不妊、生理痛、子宮筋腫、子宮内膜症などでお悩みの方によく見られます。
腎虚(じんきょ)
加齢、生活習慣の乱れ、ストレスなどにより、成長や発育、生殖などにかかわる“腎気”が低下している状態です。
良質な卵子が育たないこと、卵子に適した子宮環境が整わないことから、不妊の原因になることがあります。
気血両虚
(きけつりょうきょ)
生命エネルギーを指す「気」と、血液・栄養を指す「血」が不足した状態です。子宮・卵巣へと送り込まれる栄養が乏しく、良質な卵子が育ちにくいため、不妊の原因になることがあります。
不妊症に効く漢方薬とは?
主な種類と効果
桂枝茯苓丸
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、瘀血を改善する漢方です。
栄養不足、下半身の冷えなどを緩和し、妊娠しやすい体質へと導きます。
比較的体力のある方に適しています。
適応となる症状・お悩み
- 血行不良
- 下肢の冷え
- のぼせ、めまい
注意事項
- 免疫力の低い人、胃腸が強くない人、疲れやすい人などには、合わないことがあります。
- 妊娠中に服用すると、早産のリスクが高まる可能性があると言われています。
当帰芍薬散
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、血液の不足を補い、水分の循環を改善する漢方です。
身体を温め、冷えを改善することで、妊娠しやすい体質へと導きます。
抵抗力が低下している「虚証」の方に適しています。
適応となる症状・お悩み
- 生理不順、月経異常、生理痛
- 冷え性
- 貧血、めまい、立ちくらみ
- むくみ
注意事項
- 胃腸が強くない人は、消化器症状が生じることがあります。
加味逍遥散
加味逍遥散(かみしょうようさん)は、血流を改善し、「気」の循環を促進する漢方です。
身体へのストレスを緩和し、妊娠しやすい体質へと導きます。
抵抗力が低下している虚証であり、体力が中程度以下の方、生理中のイライラがある方に適しています。
適応となる症状・お悩み
- 月経異常
- 血行不良
- イライラ
- 胃腸の機能低下
- 子宮や卵巣の機能低下
注意事項
- 妊娠中に服用すると、早産のリスクが高まる可能性があると言われています。
柴苓湯
柴苓湯(さいれいとう)は、内臓の健康増進を促し、抵抗力を高める漢方です。
炎症を和らげたり、身体を温めたり、ストレスを改善することで、妊娠しやすい体質へと導きます。
体力が中程度で、虚証から中間証の方に向いています。
適応となる症状・お悩み
- 冷え
- 胃腸の機能低下
- 習慣性流産
- 不育症
- ストレス
- むくみ
- 下痢
注意事項
- 体力が著しく低下している場合は、処方を慎重に判断します。
- 配合されている「甘草」が重複すると、偽アルドステロン症などの副作用が起こる可能性があるため、漢方の飲み合わせに注意が必要です。
温経湯
温経湯(うんけいとう)は、血液の循環を改善し、全身への栄養の運搬を促す漢方です。
特に、腹部・下半身の血行不良や冷えを緩和し、妊娠しやすい体質へと導きます。
お腹の弱い、虚弱体質の方に適しています。
適応となる症状・お悩み
- 腹部から下半身の血行不良、冷え
- ホルモンバランスの乱れに伴う生理不順
- 更年期障害
- 不眠、神経症
注意事項
- 妊娠中に服用すると、早産のリスクが高まる可能性があると言われています。
- 配合されている「甘草」の重複により、偽アルドステロン症などの副作用が起こることがあるため、漢方の飲み合わせに注意が必要です。
八味地黄丸
八味地黄丸(はちみじおうがん)は、腎・生殖機能に作用し、卵巣の機能を改善する漢方です。
難治性不妊、高齢不妊の方によく処方されます。特に、虚弱体質で体力が低下している人に適しています。
適応となる症状・お悩み
- 下半身の冷えや痛み
- 自律神経のバランスの乱れに伴う月経異常
- 頻尿/乏尿
注意事項
- 体力が充実している人、のぼせやすい人、胃腸が強くない人は、副作用が強く出ることがあります。
- 妊娠中に服用すると、流産や早産のリスクが高まる可能性があると言われています。
- 配合されている「附子」は、摂り過ぎると火照り・吐き気・熱感・しびれなどの中毒症状を招くことがあるため、服用時には注意が必要です。
漢方療法の流れ
1初診
まずは、問診で生理周期や月経痛の有無、基礎体温、冷えや疲れやすさといった日常の体調について伺います。漢方特有の「舌診(舌の状態を確認)」「脈診(脈の強さや速さを確認)」なども組み合わせ、体質を総合的に診断します。
2漢方薬の処方
体質や不妊の原因に応じて、最も適した漢方薬を選びます。複数の漢方薬を組み合わせて処方する場合や、他の治療と併用して治療する場合もございます。
3アフターフォロー
漢方は即効性よりも、じっくり体を整えていく治療です。2~4週間ごとに経過を確認し、症状や体質の変化に合わせて薬の種類や量を調整していきます。
気になることなどございましたら、お気軽にご相談ください。
漢方は人工授精と併用できる?
漢方療法は、西洋医学的な不妊治療(タイミング法・人工授精・体外受精など)と併用することも可能です。
実際に、人工授精や体外受精と組み合わせて漢方を用いることで、採卵や移植のスケジュールに合わせた血流改善やホルモンバランスの調整が期待できます。また、冷え性・ストレス・不眠・月経痛といった体調不良の改善にも役立ち、西洋医学だけでは対応しきれない「体の土台づくり」をサポートします。
さらに、ホルモン治療や注射で体に負担を感じている方にとっては、漢方を取り入れることで副作用や不快症状の軽減につながる場合もあります。
西洋医学と漢方は「対立する治療法」ではなく、むしろ互いを補い合う関係にあります。患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせて最適なバランスをご提案させていただきます。
漢方療法の費用
| 漢方療法 | 費用 |
| 当帰芍薬散 14日分 | 620円 |
|---|---|
| 当帰四逆加呉茱生姜湯 14日分 |
580円 |
| 加味逍遙散 14日分 | 660円 |
| 桂枝茯苓丸 14日分 | 620円 |
| 芍薬甘草湯 14日分 | 400円 |
| 柴苓湯 14日分 |
1,840円 |
| 温経湯 14日分 |
830円 |
| 補中益気湯 14日分 | 620円 |
| 八味地黄丸 14日分 | 620円 |
| 五苓散 14日分 |
580円 |
| 加味帰脾湯 14日分 | 660円 |
当院では可能なかぎり保険診療で行っておりますが、内容、回数、量によって保険がきかない場合がありますのでご了承願います。
保険診療費用は自己負担3割で計算しています。
自費費用は消費税を含んでいます。
同じ内容のものでも使用薬剤の量や検査回数による判断料の違いなどにより異なる料金になることがあります。
検査治療費用には毎回診療費用400-1,000円が加算されます。


