- 生理時の出血に異常はありませんか?
- 生理の仕組み
- 生理時の出血がいつもより多い
「過多月経」 - 生理時の血の量が少ない
「過少月経」 - 生理時の出血がずっと続く
「過長月経」 - 着床出血かも?生理時の出血との
見分け方 - よくある質問(Q&A)
生理時の出血に
異常はありませんか?
生理は、一般に10~15歳から始まり(初潮)、50歳前後で終わり(閉経)を迎えます。
生理の量や状態、周期などには個人差がありますが、少しでも異常を感じた時、前と変わったなと感じた時には、お早目に当院にご相談ください。
- ナプキンの頻繁な交換が必要
- 経血がナプキンからあふれる
- 日中も夜用ナプキンが必要
- レバーのような血のかたまりが出た
- 生理中、貧血ぎみになる
- 生理がない
- 生理の周期が長い、短い
生理の仕組み
生理(月経)とは、受精卵が着床せず不要になった子宮内膜が排出されることを指します。ドロドロしているのは、剥がれた子宮内膜の組織が含まれているためです。
生理は通常、25~38日の周期で訪れ、3~7日ほど続きます。
正常な生理時の出血
日本産婦人科学会の定義では、正常な経血量は1回あたり20~140mlとなっています。
経血量を毎回実際に量るわけにはいきませんが、明らかに多い・少ない、あるいは急に増えた・少なくなったという場合には、当院にご相談ください。
生理時の出血がいつもより多い「過多月経」
過多月経とは、1回あたりの経血量が150ml以上あることを指します。
レバーのような血のかたまりとして出てくる場合には、特に注意が必要です。
原因
器質的な要因
子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんなど、婦人科にかかわる器質的な要因が挙げられます。
機能的な要因
黄体ホルモン分泌異常や無排卵性周期症などに伴う出血など、婦人科にかかわる機能的な要因が挙げられます。
内科的な要因
内科的な異常・疾患によって止血・凝固機能が障害され、過多月経になることがあります。
考えられる病気
子宮腺筋症
子宮内膜が子宮筋層内にできる・発育する病気です。過多月経の他、生理痛などが強くなる月経困難症が見られます。
子宮内膜ポリープ
子宮内膜にできるポリープであり、このポリープからの出血により、過多月経をきたします。その他、不正出血や貧血が見られることもあります。
子宮がん
子宮頸がんや子宮体がんは、進行すると出血し、過多月経や不正出血、下腹部痛などを引き起こします。
生理時の血の量が少ない
「過少月経」
経血量が20ml以下と少なく、ナプキンがまったく・ほとんど汚れないような状態です。
原因
女性ホルモンの分泌低下
エストロゲンやプロゲステロンの量が少ないと、子宮内膜が厚くならない・排出がうまくいかないことで、過少月経になることがあります。
多嚢胞性卵巣症候群や黄体機能不全などの疾患
多嚢胞性卵巣症候群、黄体機能不全、甲状腺機能異常などの疾患も、過少月経の原因になることがあります。
ホルモン治療
月経困難症や子宮内膜症の治療としてホルモン治療を受けている場合には、ホルモンバランスの変化によって、過少月経が起こることがあります。
その他
繰り返しの子宮内膜掻把、流産手術、子宮内膜の細菌感染なども、過少月経の原因になることがあります。
考えられる病気
黄体機能不全
子宮内膜がうまく育たずに、受精卵の着床が難しくなります。過少月経の他、月経不順、不正出血などの症状を伴います。
甲状腺機能異常
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの甲状腺機能異常があると、血液凝固の機能が過度になり、出血が妨げられます。
生理時の出血がずっと続く
「過長月経」
通常、生理が8日以上続くことを指します。一度きりであれば問題がないことも多いですが、何ヶ月も連続する、繰り返される場合は注意が必要です。
原因
生活習慣の乱れ・ストレス
生活習慣の乱れやストレスは、エストロゲンやプロゲステロンのバランスを乱し、過長月経の原因になることがあります。
更年期障害
閉経前後の約10年間、おおよそ45~55歳の更年期にホルモンバランスが大きく変化し、心身にさまざまな症状をきたします。その症状の1つとして、過長月経が見られることがあります。
婦人科疾患
子宮ポリープ、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頸がん・子宮体がん、子宮腺筋症などの病気が、過長月経を引き起こすことがあります。
考えられる病気
子宮ポリープ
子宮頸部の組織が増殖してできる子宮頸管ポリープ、子宮内膜にできる子宮内膜ポリープがこれに該当します。過長月経過多月経、生理痛、膿状のおりものなどが見られます。
子宮がん
子宮頸がん・子宮体がんは、不正出血、腹痛、茶色・黒色のおりもの、腰痛などの症状を引き起こします。
子宮腺筋症
子宮内膜が子宮筋層内に発生・発育する病気です。過長月経・過多月経、生理痛などの症状を伴います。
着床出血かも?
生理時の出血との見分け方
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床した時に見られる出血です。必ず起こるものではありませんが、妊娠した方のうち、20~30%がこの着床出血を経験されています。
着床出血と生理の出血との違い
着床出血は、妊娠4週目前後に起こり、1~3日ほど続きます。
対する生理は、おおよそ25~38日周期で訪れ、3~7日ほど続きます。
ご自身の生理の予定日、妊娠の機会から経過した日数などから「なんとなくの判断」は可能ですが、判断がつかないということが少なくないのが実情です。
気になる場合には、医療機関を受診し、正しい診断を受けるようにしてください。
よくある質問(Q&A)
生理時に血がドバっと血の塊が出る原因はなんですか?
剥がれ落ちた子宮内膜の組織です。液体化しきれず、レバーのような塊になって出ることがあります。その場合、経血量が多くなっている可能性がありますので、続くようであれば受診してください。
生理の血が真っ赤な場合は病気ですか?
経血の色は、鮮やかであっても黒っぽくあっても、多くの場合、大きな問題にはなりません。ただ、心配なようでしたら、一度ご相談ください。また、量が多すぎる・少なすぎる、生理期間が長すぎる・短すぎるといった場合には、血液の色に関係なく、ご相談ください。
生理時に出血は何日続くと異常ですか?
正常な生理の期間は、一般に3~7日と言われています。そのため、8日以上続くようであれば、一度ご相談ください。
生理時以外の出血(不正出血)は放置しても大丈夫ですか?
一度でも不正出血があった時には、その量の過少にかかわらず、必ず医療機関を受診してください。不正出血は、膣炎、子宮内膜症、子宮筋腫、あるいは子宮がんなど、さまざまな病気に見られる症状です。


